日本人の男性は、もともとHDL(善玉)コレステロールが少なく、LDL(悪玉)コレステロールが多いため、さらに多くのリスク因子を抱えているといえます。
インターネットを含む情報通信が飛躍的に発展して、個人社会が確立されたことも大きな要因でしょう。それまでは、「外」とコミュニケーションをとらないと物事を展開できない社会でしたが、いまは自分の中に情報をどんどん取り込んで処理するという世界に変わっています。結果として外に出ていく機会が格段に少なくなり、運動量が大幅に減少してストレスを常に抱える状況が悪影響を及ぼしていると考えられます。
また、日本ほどコンビニエンスストアが発展しているところはありません。いつでもどこでも24時間好きなものを食べることができる。自制できないとカロリー過多になったり、栄養が偏って肥満体質になり、メタボリック症候群といわれる体質になる人が増えています。これも心臓病になるリスクを高め、寿命を縮めることになるのです。塩分過多などによって、高血圧の人が増えているのも大きな問題です。高血圧は、心臓の形そのものを変えてしまう最大の原因で、さまざまな心臓病を引き起こします。
天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」