ニューヨークからお届けします。

全米に先駆け NYのレストランで「塩分表示」義務づけ開始

 全米の健康ブームを先取りするニューヨークでは、レストランチェーンのメニューへの「カロリー表示」が2006年から義務付けられています。07年からは「トランス脂肪酸の表示」も義務付け、さらに今年12月1日から、「塩分表示」が新たに加わることになり、大きな話題になっています。

 CDCアメリカ疾病予防センターによれば、アメリカ人に適した1日の塩分摂取量は2300ミリグラム(ティースプーン1杯)ですが、実際には平均3300ミリグラムの塩分を取っているそうです。

 この塩分の過剰摂取がアメリカ人の最大の死因である心臓疾患の原因になることは広く知られています。そこで、ニューヨーク市では全米に先駆け、塩分表示をレストランチェーンのメニューに義務付けることにしたのです。

 具体的には、塩分が2300ミリグラムを超えるメニューにはソルトシェーカー(塩入れ)のマークを表示するとのこと。日本でもお馴染みのチェーンでこのマークが付くと予想されるメニューには、デニーズのスパゲティ・ミートボール(2480ミリグラム)、バーガーキングのアルティメット・ブレックファスト・プラター(3020ミリグラム)などがあります。

 しかし、表示が付かないメニューにも1日に必要な塩分の5割から8割を占める物が少なくないため、「これではまだ手ぬるい」という批判も。「カロリーだけでなく塩分にも気を使わなければならなくなり、ますます食事を楽しめなくなる」と浮かない顔のニューヨーカーもいます。

▽シェリーめぐみ ジャーナリスト、テレビ・ラジオディレクター。横浜育ち。早稲田大学政経学部卒業後、1991年からニューヨーク在住。

シェリー めぐみ

シェリー めぐみ

NYハーレムから、激動のアメリカをレポートするジャーナリスト。 ダイバーシティと人種問題、次世代を切りひらくZ世代、変貌するアメリカ政治が得意分野。 早稲稲田大学政経学部卒業後1991年NYに移住、FMラジオディレクターとしてニュース/エンタメ番組を手がけるかたわら、ロッキンオンなどの音楽誌に寄稿。メアリー・J・ブライジ、マライア・キャリー、ハービー・ハンコックなど大物ミュージシャンをはじめ、インタビューした相手は2000人を超える。現在フリージャーナリストとして、ラジオ、新聞、ウェブ媒体にて、政治、社会、エンタメなどジャンルを自由自在に横断し、一歩踏みこんだ情報を届けている。 2019年、ミレニアルとZ世代が本音で未来を語る座談会プロジェクト「NYフューチャーラボ」を立ち上げ、最先端を走り続けている。 ホームページURL: https://megumedia.com

関連記事