このばらつきを示す指標に「標準偏差」という指標があります。これが大きければ大きいほどデータのばらつきが大きいということになります。
計算式は省きますが、この市の8月の最高気温の標準偏差は「5」と計算されます。平均値よりこれの2倍の10を超えるような時はほとんどないと考えられます。実際に最高気温の平均30.6度より10度高い、あるいは10度低いという日はありませんでした。
ここで、インフルエンザの治癒期間の平均と標準偏差を論文結果から見てみましょう。治癒期間の平均日数は7日、標準偏差は6.5日です。つまり標準偏差の2倍が13日ですから、「7+13=20日を超えて治らない人はほとんどいないが、すぐ治ってしまう人は案外いるかもしれない」ということが推測されるのです。
医療数字のカラクリ