なお、突発性難聴は「約3分の1は完治し、3分の1は回復するが難聴を残し、3分の1は治らずに終わる」(公益財団法人「難病医学研究財団」難病情報センターから)とされ、治療が早ければ早いほど回復の具合がよいといわれています。
治療がうまくいかない要因は、①発症後2週間以上経過して治療を始めた、②発症時の平均聴力が90デシベル以上の高度難聴、③回転性めまいを伴う、④高齢者――などが挙げられます。
突発性難聴は繰り返しません。聴力が固定化したあと、難聴が悪化したり、めまいがひどくなったりした場合は、突発性難聴ではなく他の疾患を考えます。聴神経腫瘍、外リンパ瘻やメニエール病です。これらは精密検査と画像検査により診断していきます。
鳥類と違って、哺乳類の耳の細胞には増殖因子はありません。一度死んでしまった細胞は生き返りません。耳が聞こえなくなったら、すぐに耳鼻咽喉科を受診して下さい。
耳鼻科の病気