どうなる! 日本の医療

厚労省の病院支配を強める「医療事故調査制度」

厚労省(C)日刊ゲンダイ

 今日からいよいよ、「医療事故調査制度」がスタートする。

 これは患者の死亡事故が起きた場合、すべての医療機関に事故の原因調査と新たに設置された「医療事故調査・支援センター」への報告が義務付けられるという制度。医療機関の調査結果に納得できない遺族から「再調査して!」との依頼があれば、センターが調査することになる。

 これで遺族の医療への不平・不満が解消し、医療側も医療の劣化の歯止めになると歓迎する向きもあるが、本当だろうか? 東京大学医科学研究所の上昌広教授が言う。

「十分な仕組みといえず、本当に公平な調査が行われるか疑問です。例えば、医療事故に該当するか否かの判断と最初の報告は、医療機関管理者となっており、遺族が“それはおかしい”と思っていても、センターにいきなり駆け込むことはできません。しかも、対象となる医療事故は予期せぬ死亡事故であり、手術前などに医師が遺族に“死亡する可能性がある”と告げていたり、院内文書で残したりしておけば、事故として取り上げることはできない仕組みになっています」

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村吉健

地方紙新聞社記者を経てフリーに転身。取材を通じて永田町・霞が関に厚い人脈を築く。当初は主に政治分野の取材が多かったが歴代厚労相取材などを経て、医療分野にも造詣を深める。医療では個々の病気治療法や病院取材も数多く執筆しているが、それ以上に今の現代日本の医療制度問題や医療システム内の問題点などにも鋭く切り込む。現在、夕刊紙、週刊誌、月刊誌などで活躍中。