徹底解説 乳がんのなぜ?

北斗晶も苦悩した「全摘出と部分切除」の境目

乳がんを告白した北斗晶(C)日刊ゲンダイ

 乳がんの全摘手術中に乳房再建を行い、患者が全身麻酔から目覚めた時には、胸の膨らみが残っていて、安心することもできるようになった。

「これは乳がんの手術と同時に、皮膚を伸ばすエキスパンダー(組織拡張器)を入れる方法です。その後、半年ほどかけて生理食塩水を足していき、皮膚を伸ばします。乳房の膨らみまで伸びたら、インプラントと呼ばれる人工乳房と入れ替えるのです。このやり方だと、全摘後に改めて乳房再建するより身体的負担も精神的ショックも少なくて済みます。また、部分切除した場合は、その後の放射線照射による皮膚の変色や乾燥感などがある。これも、全摘+乳房再建では術後照射が不必要となるため、回避することができます」(武田センター長)

 乳房温存にこだわる理由は、確実に減りつつあるのだ。

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