インドの伝承医学・アーユルヴェーダで珍重され、その栄養価の高さから「生命の木」とも称えられるモリンガ(ワサビノキ属の落葉樹)。
北インド原産で熱帯・亜熱帯地域に自生しており、寒さに弱いため国内での栽培は難しいとされてきた。しかし、10年ほど前から気候が温暖な熊本県天草で栽培され、“モリンガ茶”として全国に広まりつつある。
モリンガ茶を扱う、アイテル代表の福浦哲氏はこう話す。
「妻は便秘が改善し、私は代謝の向上を実感しています。メタボにならないのもモリンガ茶のおかげかもしれません」
実際、モリンガの栄養素の種類、量は特筆すべきものがある。
「特に多く含まれているものを挙げると、食物繊維はほうれんそうの6倍、カルシウムは牛乳の20倍、ビタミンCはリンゴの50倍、ビタミンB1は豚肉の4倍です」(福浦氏)
食物繊維は便秘改善のほか、腸内で善玉菌のエサとなり、整腸作用などが期待できる。カルシウムはイライラを解消し、ビタミンCは免疫力をアップ。ビタミンB1は肥満の原因にもなる糖質の代謝を促進し、エネルギーを生み出す働きがある。
そのほか、ビタミンAやE、亜鉛、マグネシウム、カリウムなども多く含まれている。
モリンガはワサビノキ属だが、モリンガ茶はほんのりとした甘味があり、おいしい。栄養状態が心配な中高年が日常的に飲めば、まさに「生命の木」となってくれそうだ。
(健康ライター・宮岸洋明)
真似したい伝承療法