真似したい伝承療法

福島のニシンの山椒漬け

 EPAは血栓の形成を防ぐ作用があり、心筋梗塞や狭心症、脳梗塞などの予防が期待されている。長堀さんが「ニシンの山椒漬けは頭にも体にもよい」と言うのは、DHAとEPAによるものだろう。

 さらに、ニシンはアミノ酸スコアが100の良質なタンパク源でもある。

 また、山椒の辛味成分サンショオールは、胃を丈夫にして食欲を増進し、腸の働きを整える作用があるといわれている。

 その昔、会津では貴重な保存食だったニシンの山椒漬けだが、今でも健康状態を良好に保存してくれる逸品に違いない。

(健康ライター・宮岸洋明)

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宮岸洋明

宮岸洋明

1965年、石川県生まれ。出版社勤務後、95年、健康ライターとして独立。以来20年、健康雑誌などで取材・執筆活動を開始。本連載では、世界的な長寿国である日本の伝承料理がテーマ。「健康長寿の秘訣は“食”にあり」をキーワードに、古くから伝えられてきた料理や食材を実食し、その栄養価、食味や調理法を紹介。筆者自身も、約1年前から数々の伝承料理を食べ約20キロのダイエットに成功。メタボを脱出し、健康診断もオールA。