真似したい伝承療法

富山県の呉汁

富山県の呉汁(C)日刊ゲンダイ

 寒さが身に染みる日が続く。心身を温めて健康にもよいのが、富山県の「呉汁」だ。

「呉」とは、一晩水に浸した大豆をすりつぶしたもの。それを、味噌汁に入れたものが呉汁だ。富山県以外でも呉汁は見られるが、地方によって具材などは異なる。

「寒さのせいか、故郷富山では、最後に唐辛子を多めにふって食べていました。大豆の香ばしさと味噌の風味、それにピリ辛の要素が加わり、なんともいえぬ、絶妙な味わいです。厳しい冬の季節でも、体がすぐにポカポカになりました」と言うのは、富山県出身の会社員、石田龍一さん。

 体が温まるのは、言わずと知れた唐辛子の辛味成分のカプサイシンによるものだ。カプサイシンはエネルギー代謝を活発にして体を温め、血流を改善する効果がある。

 健康食の代名詞ともいえる大豆をふんだんに使っているのもポイント。大豆は良質のタンパク質を豊富に含み、血中コレステロール値を下げたり、血管を丈夫に保ったりする働きがある。

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宮岸洋明

1965年、石川県生まれ。出版社勤務後、95年、健康ライターとして独立。以来20年、健康雑誌などで取材・執筆活動を開始。本連載では、世界的な長寿国である日本の伝承料理がテーマ。「健康長寿の秘訣は“食”にあり」をキーワードに、古くから伝えられてきた料理や食材を実食し、その栄養価、食味や調理法を紹介。筆者自身も、約1年前から数々の伝承料理を食べ約20キロのダイエットに成功。メタボを脱出し、健康診断もオールA。