徹底解説 乳がんのなぜ?

再発リスクと抗がん剤の効果を予測する遺伝子診断

乳がんを告白した北斗晶(C)日刊ゲンダイ

 全摘出であれ、部分切除であれ、乳がんの手術後は再発予防のために抗がん剤やホルモン剤などの薬物投与が一般的だ。手術で大きながんの塊を取り切っても、目に見えない微小ながん細胞が全身を駆け回っていることが考えられるからだ。

 しかし、抗がん剤は乳がん患者にとって恐怖の的だ。副作用で髪の毛が抜けたり、強い吐き気に苦しむイメージがある。

 乳がん手術で右乳房を全摘出した元女子プロレスラーでタレントの北斗晶(48)も、抗がん剤の副作用による脱毛に備え、髪の毛をショートにしたり、不安をブログにつづっている。

 ところが、乳がんのなかには再発リスクが低かったり、抗がん剤が効きにくいタイプがある。副作用に苦しんでも、抗がん剤投与はそれに見合ったメリットが得られないケースもあるのだ。

 そこで注目されているのが、日本でも受けられる「オンコタイプDX」や「マンマプリント」といった多重遺伝子診断。複十字病院乳腺センターの武田泰隆センター長が言う。

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