徹底解説 乳がんのなぜ?

再発リスクと抗がん剤の効果を予測する遺伝子診断

乳がんを告白した北斗晶(C)日刊ゲンダイ

「オンコタイプDX検査は、乳がん組織に含まれる21個の遺伝子を測定・解析し、10年間の再発リスクを予測するものです。再発リスクは数値で判定され、100点満点中17点以下は低リスク、18~30点は中間リスク、それ以上は高リスクに分類されます。低リスクの場合は、抗がん剤を使わなくても、再発リスクはほぼないとされています」

 この検査を受けられるのは、ホルモン受容体が陽性で病期がⅠ(しこりが2センチ以下でリンパ節への転移がない)~Ⅲ期の比較的軽い乳がんが対象だ。

「乳がんの約7割は、女性ホルモンをエサにして大きくなる性質があります。しかし、残りの約3割は女性ホルモンのエサがなくても増殖することから悪性度の高いがんということになります。そのため、手術で切り取られたがんの中の女性ホルモンの受容体の有無を調べます。ホルモン受容体がなければ、女性ホルモンをエサにしない悪性度の高いがん、あれば悪性度の低いがんということになります。また、わきの下のリンパ節への転移がなければ、進行度が低いと判断されます。そのため、ホルモン受容体が陽性で、腋窩リンパ節転移陰性(閉経後はわきの下のリンパ節転移陽性でもOK)であることも検査条件になります」(武田センター長)

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