徹底解説 乳がんのなぜ?

再発リスクと抗がん剤の効果を予測する遺伝子診断

乳がんを告白した北斗晶(C)日刊ゲンダイ

 一方、「マンマプリント」は70種類の遺伝子を解析することで、遠隔転移のリスクを調べるもの。こちらは、60歳以下で、病期ⅠとⅡの腋窩リンパ節転移3個以内の早期乳がんの人が対象。ホルモン受容体の有無は問わない。

「ただし、保存された過去のがん組織でも検査が可能なオンコタイプDXと違って、こちらは手術後すぐの新鮮ながん組織での検査が必要となります。そのため、検査会社に送るときの準備が簡単ではありません」(武田センター長)

 遺伝子検査は数多くの遺伝子を調べれば調べるほど精度が安定する。そのせいか、オンコタイプDXが米国の保険会社に認められているのに対して、マンマプリントは米国食品医薬品局(FDA)が承認している。

 問題は、どちらの検査も保険適用外なので自費診療となり、50万円前後の高額な費用と、検査が米国で行われるため時間がかかること。

 それでも、「ウィーンでの今年の国際会議で推奨されたこともあり、多重遺伝子診断を希望する人は増えている」(武田センター長)という。

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