保険適用拡大でも喜べず…「禁煙治療薬」はこんなに危険

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 医薬情報研究所「エス・アイ・シー」の医薬情報責任者・堀美智子氏が言う。

「バレニクリンによる副作用は、吐き気や不眠、うつ状態、意識喪失などがあり、服用後に車を運転した人が事故を起こしたケースもあります。服用中は運転を避けることです。また、うつ病や統合失調症など精神疾患を抱えた方は副作用が重くなりやすく要注意です」

 医薬品医療機器総合機構によれば、未遂も含めて自殺も08~12年に28件確認されているという。喫煙の低年齢化が問題だとしても、自殺リスクがあるような薬を精神が未熟な若者が服用したらどうなるのか。しかも、保険適用後の動向を調べた調査では、服用から9カ月後の禁煙成功率は約47%と、決して高くはない。保険適用拡大で、トクするのは製薬会社だけか。

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