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【突然死の予防】横浜南共済病院・循環器内科(横浜・金沢区)

横浜南共済病院の西﨑光弘循環器センター部長(提供写真)

 怖いのは、冠攣縮性狭心症で発作を起こすと、そのまま心室細動へ移行する危険性があることだ。それがいつ起こるか分からない。自分が冠攣縮性狭心症をもっていることを知らないまま、初発の狭心症発作のときに心室細動が起こって、突然死する恐れもある。

「冠攣縮性狭心症は日本人に多く、全狭心症例の40%を占めますが、すべての人に心室細動が起こるわけではありません。ただ、心電図の波形で心室細動を起こしやすい人のリスクが分かってきました。J波やTWAなどの特徴的な心電図波形があるとリスクが高い。しかし、これらの波形は正常の人でも見られるので、いかに冠攣縮性で心室細動のリスクの高い狭心症の患者さんを見つけるかが大切になるのです」

 長年、蓄積してきたデータと経験があるので、同科のリスク評価の精度は高い。

 狭心症に対する治療は通常の薬物療法が行われるが、発作を繰り返し、心停止や失神を起こす心室性頻脈が認められれば、心室細動が起きた場合に突然死を防ぐ2次予防としてICD(植え込み型除細動器)が検討される。

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