独白 愉快な“病人”たち

絵本作家 有田奈央さん(36) 脳梗塞

有田奈央さん(C)日刊ゲンダイ

 発症してから1年半。左手でグーチョキパーができるようになりましたが、コップやお茶碗を持つのはまだ怖いです。

 病気になってからは、お年寄りや病気の方の立場で物事を考えられるようになりました。そして、妹をはじめ、周囲の人たちへの感謝の気持ちも増えました。絵本を作ることも心の支えになったと思います。

 私の場合、すぐに救急車を呼んでいれば、もっと軽症で済んだかもしれません。今後は、脳梗塞の体験者として、若い人でも危険は潜んでいること、そして何よりも早期発見が重要なことを、たくさんの人に伝えていきたいと思っています。

▽ありた・なお 1979年、福岡県生まれ。2013年に「おっぱいちゃん」(ポプラ社刊)で絵本作家デビュー。同年11月に脳梗塞発症。14年11月、妹と共著の「ずっと健康だと思ってた。34歳脳こうそく克服記」(イーストプレス)出版。公益社団法人日本脳卒中協会主催「サノフィ賞」受賞。

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