独白 愉快な“病人”たち

元テレビプロデューサー 佐藤義和さん(67) 十二指腸潰瘍

佐藤義和さん(左は主治医の天願先生)(提供写真)

 予兆は背中の痛み。針治療ではどうにもならないほどでした。日比谷の病院で検査すると、十二指腸の同じところに潰瘍ができては自然治癒、というのを繰り返していたらしく、硬いタコになっていた。外傷のカサブタと同じで、出血しやすいとのこと。病院の先生から「酒とたばこと今の仕事はやめられないでしょ? だったらすぐ切らないとダメ」と言われ、切る決断をしました。

 手術後、胃は3分の1になりました。だから退院してからの食事が大変。普通の量を食べると、胃が許容できなくて口から簡単に飛び出してきちゃう。「一度にたくさん食べず、1日6回に分けて食べなさい」と言われても、不規則なテレビマンには難しい。

 困っていたのですが、もつ鍋は野菜が多く軟らかいので、平気だったんです。それからはもつ鍋ばかり。ディレクター時代に大酒飲んでたディスコが、バブル崩壊後は軒並みもつ鍋屋になっていたので、打ち合わせの食事は必ず六本木のもつ鍋屋。術前と術後で行ってる場所は一緒という……。

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