愉快な“病人”たち

元サッカー選手 杉山新さん(34) 1型糖尿病

杉山新さん(C)六川則夫/ラ・ストラーダ

 糖尿病? 細かなメディカルチェックを毎年受けているし、薬ひとつ飲む際にも、ドーピングにならないようチームドクターの指示を仰ぎ、食べ物にも相当気を付けています。太ってもいないのに、なぜ23歳の僕が? とにかく理解できません。

「それでいつ治るのですか?」

 そう聞いた僕に、医者は言いにくそうに答えました。

「この病気は今の医学では一生治りません。とにかくこのまま入院してください」

 罹患した原因は医学的に解明されていません。なので、僕がなぜ罹患したか、今も不明です。受け入れるしかありませんでした。

 入院している間は何も考えられず、ひたすら寝続けました。筋肉はすっかり落ちてしまい、68キロあった体重も60キロを切ってしまった。

 2週間の入院から自宅に戻ると、リーグ戦は終わっていました。提示された翌年の年俸は「0円」。これは“契約更新なし”を意味します。ただ、チームと一緒にトレーニングできる「練習生」としてとどまれたことは一筋の光でした。

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