独白 愉快な“病人”たち

評論家 樋口恵子さん(82) 胸腹部大動脈瘤感染症

樋口恵子さん(C)日刊ゲンダイ

 その時は本当につらかったけれど、おかげで24日後の退院時は、なんとか自力で歩けるまでに。退院後は半年間介護保険の要支援1レベルの認定を受け、デイサービス型リハビリを週2回。肋骨はつながっていないようで、今でもゴロン、ボキンと音を立てますが、それでも動くことに問題なく、リハビリの重要性を実感しました。

 病気を誘引したのは我が家の食生活。戦後のひもじさを経験しているせいで、夫婦して好きなものを好きなだけ食べるのが最上の趣味。1食に5皿も6皿も並べて食べるのが常で、バランスは良いけれど量は1・5倍。娘に注意されても「死んで持っていけるものは経験と食べた物だけだ」と言い返していました。

 気づくのが遅いけれども、悔い(食い)改めるきっかけになりました。 手術で小食になり体重が7キロ減、変形性膝関節症によるひざの痛みも軽減、リハビリをきっかけに運動の楽しさを初めて知ることができたのはよかったと思います。

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