独白 愉快な“病人”たち

演歌歌手 原田悠里さん(60) 食いしばり由来の難聴

原田悠里さん(C)日刊ゲンダイ

 当時、撮影した写真は左頬ばかり。食いしばっている左側はシャープで、アゴのちょうつがいの部分にボコッと骨が飛び出ていました。逆に、右側はふっくら、やや二重あごになっていた。カメラマンさんが撮る私は、左頬がベストだったんですよね。

 治療法は、歯科的治療と生活指導。右奥歯に虫歯や歯周病があるから、右側では噛めず、左奥歯にだけ頼っていたのです。そこで、右奥歯を中心に虫歯と歯周病治療をし、両側の奥歯で噛めるようにしました。

 あとは、噛み合わせを治すため日常生活で左右同じように噛むように指導を受けただけ。マウスピースもしませんでした。通院し始めて1カ月すると聴力が戻り、左右のバランスも整ってきた。手ごたえを感じられるようになり、半年後には耳のことを忘れるほどに。

 今まで大病したこともなく、体にメスを入れたことがないので、難聴の始まりも気づきやすかったと思います。自分を常にゼロベースに置いていないと異常に気付かない。

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