独白 愉快な“病人”たち

発明家 中松義郎さん(86) 前立腺導管がん

中松義郎さん(C)日刊ゲンダイ

 そこで「がんに勝つ10の方法」を自ら構築し、実践しています。食生活では、タンパク質、ナトリウム、リン、カリウムを除く食生活を心掛けています。これらはがんが喜ぶ、がんの餌になる栄養素で、科学的に実証されています。ところが民間療法では「ニンジンががんに効く」という意見が多い。ニンジンはカリウムが多く、問題。正しい情報に基づいた食が必要です。

 それから、体力。がんで寝ていてはやせ細るだけ。がんに勝つには最後は体力なんです。私は2日おきにジムで2時間、レッグプレス100回を含め、ハードなトレーニングをこなしています。食と体力。ここまでは守りです。さらに、がんをやっつけるロボット開発に取り組んでいます。

 がんは、私が天から授かった最大の発明テーマ。今、自覚症状はなく、体調は問題なし。睡眠時間は昔から変わらず4時間。講演なども断らず通常通り仕事はこなす。さらにがんの研究課題も加わり、むしろ多忙になっていますが、発明家人生をかけてがんにとどめを刺すマシンを開発し、完治させます。

▽なかまつ・よしろう 1928年東京生まれ。東京大学在学中にフロッピーディスクを発明。石油ポンプなど身近なものから、航空関連まで発明ジャンルは多岐にわたる。

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