独白 愉快な“病人”たち

料理研究家 宮成なみさん(38) 結節性動脈周囲炎

宮成なみさん(C)日刊ゲンダイ

 そんな中で気づいたのは食の重要性。食材の持つエネルギーを体内に取り入れることがどんなに必要かが身に染みてわかった。単に栄養管理された食事だけでは、今の肌や健康は取り戻せなかったと思うんです。母が知恵を絞って私に食べさせてくれたのは、肉じゃが、手羽先の煮物などごく普通のもの。

 食に関する仕事に就きたいと福岡の田舎町から博多で一人暮らしを始め、友達に料理を振る舞っているうちに、家で教えるようになり、西日本新聞のレシピ投稿をきっかけに、シンポジウムのパネリストで呼んでいただき、料理研究家への道が開けました。

 今は自分の経験を生かし、スーパーで売っている調味料で体質改善できる料理講座や、女の子が愛する人に作って喜んでもらえる料理を提案、食事指導しています。

 8年前に自分の腎臓だけではまかなえなくなり、人工透析になりましたが、東京と九州を拠点に活動していますし、以前よりも元気になりましたよ。

▽みやなり・なみ 1976年福岡県生まれ。16歳の時に結節性動脈周囲炎を発病。7年半の食事療法で社会復帰。OL生活を経て料理研究家に。一般社団法人料理研究家協会代表理事。著書に「オトコをトリコにするメロメロレシピ」(西日本新聞社)などがある。

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