来年度から、「患者申出療養」という新しい制度がスタートします。患者の希望に基づいて、未承認の薬や治療法を、混合診療として受けられるようにする制度です。
たとえば国内未承認の抗がん剤を試してみたい場合、薬代は全額患者持ちですが、それ以外は健康保険が適用されるようになります。そのため早くも「いよいよ混合診療の解禁か!?」と騒がれたりもしていますが、実態としては、「先進医療や薬の臨床試験(治験)の、部分的・限定的な拡張」といったほうが、当たっています。
ご存じのとおり、現行の医療制度では、混合診療が禁止されています。健康保険外の薬や治療をひとつでも受ければ、治療にかかった費用全額を、患者が負担することになるのです。ただし、新薬の治験と先進医療のみ、例外として混合診療が認められています。
治験とは、未承認薬の安全性と効果を確認するための、いわば人体実験。薬の費用は製薬会社が持ち、その他の検査や治療には、健康保険(患者3割負担)が適用されます。
医療用語基礎知識