医療用語基礎知識

【患者申出療養】いよいよ混合診療の解禁!?

 先進医療は、新しい検査・治療に関する治験と思ってください。この場合、先進医療部分は患者負担、その他は健康保険でまかないます。有名な陽子線治療では、陽子線の照射が先進医療で、費用約300万円を患者が負担します。しかしそれに付随して行われる入院・各種検査や、並行して行われる治療・投薬などには、健康保険が適用されるのです。

 治験も先進医療も、ある程度の人数の患者に試して、「効果あり」と判定されれば、健康保険の対象に格上げされていきます。ただ治験には、薬ごとに参加条件があります。対象となる病気以外にかかっていないことや、年齢制限など、多岐にわたります。先進医療も同様です。陽子線治療では、がんの大きさや遠隔転移の有無などが条件になります。

 また、健康保険の対象となった薬や治療法には、適応疾患や用量・用法などが細かく規定されています。他の病気にも効く可能性があっても「保険適応外使用」と呼ばれ、全額自費負担になってしまうのです。

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やなぎひさし

やなぎひさし

国立大学理工学部卒。医療機器メーカーの勤務を経てフリーへ。医療コンサルタントとして、主に医療IT企業のマーケティング支援を行っている。中国の医療事情に詳しい。