しなやかな血管が命を守る

【脳梗塞の発症予防】 頚動脈硬化の治療は薬より手術

東邦大学佐倉病院の東丸教授(C)日刊ゲンダイ

 脳梗塞を予防するには、首の動脈である頚動脈の状態を知る検査を定期的に受けることが大切です。血管にしなやかさがなくなれば、血液をスムーズに送り出すことが困難になり、脳や心臓などに負担をかけるからです。

 硬くなった血管の内側はもろくなり、コレステロールなどが固まったこぶ(粥腫)ができます。その結果、血管を狭くしたり、はがれた粥腫が血管を詰まらせたりします。

 実際、頚動脈の平均血管壁が0.9ミリ以上厚くなったり、厚み1.1ミリ以上の隆起(プラーク)が増えたりすると、脳梗塞や脳卒中のリスクが高まることがわかっています。

 頚動脈の狭窄が進むと手足のまひなどの神経症状が一時的に起こり、自然に回復する「一過性脳虚血発作」(TIA)や、症状が継続する“ホンモノ”の脳梗塞が起こる危険性が高まります。

 では、頚動脈の動脈硬化がわかった場合、どのような治療を行えばいいのでしょう。

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東丸貴信

東丸貴信

東京大学医学部卒。東邦大学医療センター佐倉病院臨床生理・循環器センター教授、日赤医療センター循環器科部長などを歴任。血管内治療学会理事、心臓血管内視鏡学会理事、成人病学会理事、脈管学会評議員、世界心臓病会議部会長。日本循環器学会認定専門医、日本内科学会認定・指導医、日本脈管学会専門医、心臓血管内視鏡学会専門医。