独白 愉快な“病人”たち

タレント 清水国明さん(64) 十二指腸がん

清水国明さん(C)日刊ゲンダイ

 そこで、僕は退院予定に合わせ、自分の好きなことをスケジュールに入れた。森本毅郎さんや笑瓶さんとゴルフ。鈴鹿サーキットを借り切って「全快記念・アクセル全開走行」ツーリング。琵琶湖でボートをチャーターしてバス釣り。それから、セックスも。手術してセックスできなくなるんなら、意味がない。いいホテルを予約してね。これを全部、退院後の1カ月以内に詰め込んだ。

 大変な手術だったと気づいたのは麻酔が切れてから。痛み止めの点滴を5分おきに入れるほど痛みがひどい。それでも先の楽しい予定を詰めているから、翌日から病院の中をヨボヨボでも歩いた。

 がんの原因はお金のストレスでした。当時、河口湖にキャンプ場を始め、従業員40人に給料を払うために資金繰りに奔走する日々で。そうやって、明日のことを考え、自分の足音に怯えて生きていたんですよね。がんから学んだのは、「恐れで生きるのでなく、楽しく生きなければいけない」ということでしたよ。

2 / 4 ページ