愉快な“病人”たち

元衆院議員 与謝野馨さん(76) 下咽頭がん ㊦

与謝野馨さん(C)日刊ゲンダイ

 発声が楽で、全国で対応が可能だということがシャント法を選んだ理由です。ゲップを応用した発声法もあるのですが、かなり練習が必要。ところがシャント法は、小さなプラスチックの弁を喉に入れる手術だけ。喉元を手で押さえれば話せます。従来は手動で押さえていた部分を磁石で自在にふさぐハンズフリーという方法もあるけれど、一部の大きな病院でしか対応できない。地方や海外に出張できないのでは仕事にならないので前者を選びました。

 シャント法は聞き取りにくい言葉も英語もちゃんと伝わりますし、優れたものだと思います。ただし、無理やり気道を押さえますから、長時間になると誤嚥の危険性も高まります。そこで、1件の打ち合わせは45分程度に抑えています。

 通院は月に1回。弁が緩んだり、空気を運ぶ気道にカビが生えることもあるので定期的にメンテナンスが必要です。弁も交換が必要ですが、この弁が保険でお世話になっても3万円近くするので値段が高い。

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