独白 愉快な“病人”たち

料理研究家 鈴木登紀子さん(89) 糖尿病

鈴木登紀子さん(C)日刊ゲンダイ

 糖尿病はもう30年のベテラン。ほどほどに気を付けながら、手作りの食事を毎日いただいております。食べることは生きること、生きるためには食べることと思っております。お医者さまには「悪い患者でごめんなさい」と言いながら、今はいいお薬が出ていますので、新薬にお任せです。

 カレーやパスタも食べるし、会食のコースだって若い方と変わらずに残さず、今も全部自分の歯で食べています。

 食後には果物とケーキなど甘い物もいただきますよ。え? 体重計なんて乗りません。乗ったら驚いてひっくり返っちゃうわ。

 今まで元気でいられたのは食事を大切にしてきたせいでしょうか。3年前に亡くなった主人とも食の嗜好が合っていたからストレスがありませんでした。

 戦後、チーズが配給された際、ご近所さんは「せっけんみたいなもの」とご辞退されましたが、私たちはお隣の分も頂戴して「アメリカはこんないいものを配給してくれてありがたいわ」っていただきました。

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