独白 愉快な“病人”たち

漫画家 まつもと泉(55)さん 脳脊髄液減少症 ㊦

まつもと泉さん(C)日刊ゲンダイ

 治療はブラッドパッチ治療法といって、髄液の漏れている箇所(脊髄硬膜外)に自分の血液を注入し、炎症反応を起こさせて体に修復させるものです。私の場合、治療を始めて1カ月で、5年も苦しんだ頭痛や肩痛から解放され、起き上がることができました。そして約半年、数回の治療で快方に向かい、机に向かえるようになったのです。

 治療効果もさることながら、科学的に自分の病気を検証されたことが何よりうれしかった。腰、頚椎、首辺りから髄液が漏れているのがMRIで判明したのです。

 当時、漫画家としての活動停止に対し一部から誹謗中傷を受けました。また、医師に症状を訴えても信じてもらえず、家族にも心の病だと思われ、精神科医にも理解してもらえなかった。誰にも信じてもらえないことが何よりの苦痛。ところが、専門医は「その通り! 検査結果で出ています」と初めてこの病気を肯定してくれた。低脳圧は病気の証明になり、整体の先生がおっしゃった「脳圧が下がっている」という診断も合っていたのです。

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