徹底解説 乳がんのなぜ?

医師が認識していない患者の悩み

「乳房再建キャラバン」のHP

 NPO法人「エンパワリング ブレストキャンサー」は、乳がんを患った人に、乳房再建手術についての正しい知識、そして希望と自信を持ってもらうことを目指して活動している。

 各地をめぐり、形成外科医やその地在住の患者たちとともに、乳房再建について意見交換などを行う「乳房再建全国キャラバン」をはじめ、さまざまな活動を通して、当事者だからこその悩みが浮き上がってくるという。

 理事長を務める真水美佳さんが、右胸に5ミリと7ミリ、左胸に2.5センチの乳がんが見つかったのは、北斗晶と同じ48歳の時だ。右胸は全摘、左胸は温存だが「一部引きつれる」と医師に言われ、「何もしないで天寿を全うしよう」とまで思い詰めたという。

 セカンドオピニオン、サードオピニオンを経て知識、経験、理解がある形成外科医、乳腺外科医と巡り合い、右胸は全摘で自家組織による乳房再建手術を、左胸は温存手術を受けられた。結果的に納得も満足もいく治療になった。しかし感じたのは、「患者が得られる乳房再建手術に関する情報が、あまりにも乏しすぎる」ということだった。

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