2009年8月、4歳になる娘が風邪をひき、自分もそれをもらったか、と思っていたんです。子供からうつった風邪はものすごく強くて、高熱が出るんですよ。
3日ほど近くのかかりつけの病院で点滴を受け、薬をもらっていたのですが良くなりませんでした。9日の夕方になると呼吸ができなくなり、悪寒がしてきた。38度を超える熱が出て、「ドキ、ドキ……ド……」と、心臓の鼓動がおかしい。
「あれっ! 心臓が止まる!!」
気が遠くなりながら娘を妻に預け、自分で車を運転して、市民病院に飛び込みました。
レントゲンを撮ると肺は真っ白で、心臓は肥大化していました。この時担当してくれた医師が北里大学出身の先生で、いろいろと調べてくれた。その結果、妻が呼ばれ、「劇症心筋炎かもしれない」と告げたそうです。
劇症心筋炎は前駆症状として、発熱、咳、関節痛などの風邪症状があり、その後、心筋炎を発症し、呼吸困難、ショック状態あるいは突然死に至ることがある恐ろしい病気。
独白 愉快な“病人”たち