早逝の黒木アナにも症状…がんのリスク因子「鳥肌胃炎」とは

ピロリ除菌で対策を(写真はイメージ)/(C)日刊ゲンダイ

 こうした未分化型がんのリスク因子とされているのが「鳥肌胃炎」と呼ばれる症状。黒木さんも、昨年8月に行った胃カメラ検査でヘリコバクター・ピロリ菌の感染と鳥肌胃炎が発覚し、その際の病理検査で胃がんと診断された。

 日本消化器病学会専門医の江田証氏(江田クリニック院長)は言う。

「鳥肌胃炎は、女性や若年者がピロリ菌に感染すると起こる特徴的な胃炎です。胃の表面にブツブツとした顆粒状の盛り上がりが広がり、毛をむしりとった後の鳥の肌にそっくりなことから名付けられました。原因はピロリ菌感染で、ピロリ菌を退治しようと過剰反応した大量のリンパ球が胃の粘膜に集まり、顆粒状の隆起を作ります。過剰に集まったリンパ球は、自分の胃の粘膜まで傷つけてしまい、激しい炎症を起こします。そのため、胃がんになりやすくなるのです」

 ピロリ菌に感染していると、100%が慢性的な胃炎を起こし、それが続くと「萎縮性胃炎」になるケースが多い。萎縮性胃炎は胃の粘膜が薄くペラペラになるもので、これも胃がんの原因になる。

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