多くの病院が一般病棟で緩和ケアの患者を受け入れないのは、緩和ケア病棟を設けてDPC(包括医療費支払制度方式)を採用しないと経済的にペイしないからだ。
一方、緩和ケアを手術、放射線、抗がん剤と同列のがん治療のひとつととらえている同院では、緩和ケアが目的の入院であっても、患者が希望すれば放射線治療や抗がん剤治療も提供してくれる。吉澤副院長は「がんの統合医療的なケア」と胸を張る。
「入院、在宅のどちらでも受け入れ可能なので、がん拠点病院や緩和ケア病棟からも患者さんの依頼、紹介がきます。通院で他施設の代替医療を受けたいというケースでもウエルカムです。基本的に困っているがん患者さんの受け入れは100%OKで、これまで断ったことはありません」
同院が、がん診療施設の機能区分で「がん難民をつくってはいけない」と緩和ケアの受け入れを始めたのが1994年。当時、同じ豊島区内にあったがん研病院で治療して再発・転移した末期がん患者の受け皿となったのがはじまりだ。まだ、緩和ケアという概念が浸透していなかった時代で、当時は「がん研の分院」と呼ばれた。
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