有名病院 この診療科のイチ押し治療

【在宅・入院の緩和ケア】要町病院・緩和ケア科(東京都豊島区)

要町病院の吉澤明孝副院長(C)日刊ゲンダイ

 もうひとつ、「要第2クリニック」(松﨑圭祐院長)として腹水治療センターを併設するのも同院の特徴だ。難治性腹水に対して腹水ろ過濃縮再静注法(CART)という治療を行っている。

「がん性腹水の緩和ケアは普及が遅れている分野です。従来は腹水を抜くとアルブミンなどの損失によって“抜くと弱る”といわれていたからです。しかし、松﨑先生の開発したKM―CARTによって“抜くと元気になる”治療になりました。1回に平均7リットル、最大26リットル。普通の病院では2~3リットルですから、これだけの量の腹水を安全に抜けるのは、国内では当院だけだと思います」

 CARTは2泊3日の入院で行う。全国から年間延べ800~900人の患者が治療に訪れるという。

▽昭和32年開設の地域の総合病院(150床)
◆スタッフ数=常勤医師11人(非常勤14人)
◆外来初診患者数=月間約400人(入院月間延べ人数約2400人)
◆要町ホームケアクリニックの在宅医療登録患者数=常時130~140人(在宅みとり年間約100件)

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