今押さえておきたいがん治療

「高濃度ビタミンC点滴療法」で末期患者の全身の痛みが焼失

「初診時のAさんは体重22キロで、1~2週間で最期を迎えてもおかしくない状態。当初、別の入院できる病院を勧めましたが、ご本人の希望で高濃度ビタミンC点滴療法を行うことになりました。ただ、回復の期待は持てませんでした」

 高濃度ビタミンC点滴療法は、米国で始まった治療法だ。米国立衛生研究所、国立がん研究所、米食品医薬品局は「高濃度のビタミンCはがん細胞を殺す」という内容の複数の研究結果を医学雑誌に共同発表している。

 また、アイオワ大学はすい臓がん、カンザス大学は国立衛生研究所とともに卵巣がんへの治療効果を発表。日本でも東海大学医学部などが研究に取り組んでいる。

「ビタミンCを点滴で体内に投与すると強力な抗酸化作用を発揮し、大量の過酸化水素を発生します。正常な細胞は過酸化水素を中和できるが、がん細胞は中和できずに死んでしまう。ビタミンCは高濃度でも水溶性なので体外に排出される。副作用の心配がなく、抗がん剤の副作用を減少させることも明らかです」

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