介護の現場

故郷の両親を呼び寄せ「高専賃」に 費用は1人17万円

 部屋はバリアフリー(段差のない床、手すり、車椅子も可)で、緊急通報装置も備わっていた。介護の有資格者が常駐していて、「安否確認」や「生活相談」もしてくれる。

 別料金になるが、入居者や家族の希望によって訪問サービス(買い物手伝い、掃除、洗濯)や介護サービス(入浴の手伝い、病院への付き添いなど)も受けられるという。

「幸い、両親は介護までは必要ないのですが、それでも金額は1人当たり、住居費が7万円、1日3食の食事代が5万円ぐらい。ほかに雑費が5万円程度ですから、月に17万~18万円の負担になります」

 しかし、東京近郊に住んでも、両親からは相変わらず息子、娘に小言の電話がかかってきて、やはり交代で1カ月に1回、両親のご機嫌をうかがいに行く。

「両親をこちらに連れてきて少しホッとしていますが、問題は高松の自宅です。地元の不動産屋に売却をお願いしていますが、場所が市中心部から離れているために買い手がなかなか見つかりませんね。老朽を防ぐために1年に1回、自宅を訪ねて窓の開け閉めをしています」

 日下さんきょうだいにとって、両親の介護はこれからが本番である。

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