医療用語基礎知識

【尿酸値】高いとがんになりにくい!?

 それだけでも痛いのに、この結晶を外敵の一種と誤解して、白血球やリンパ球が一斉に攻撃を仕掛けてきます。そのため激しい炎症が起こるのです。結晶は数日から1週間で溶けてなくなってしまい、それに伴って腫れも痛みもウソのように引いていきます。

 痛風発作を防ぐには、血中の尿酸値を下げる以外にありません。定期健診などで、毎年必ず測定しているはずです。基準値は男性で3・8~7・5、女性で2・4~5・8。単位はmg/dl(ミリグラム/デシリットル、1dlは100㏄)です。

 痛風というと、以前は中年以後の病気だったのですが、いまや20代、30代の患者も増えています。プリン体と呼ばれる栄養素の取りすぎが大きな原因。ビール、ホルモン、シシャモ、エビやカニなどに多く、要するに居酒屋系のものが総じて悪いわけです。そのためビール会社では、プリン体ゼロのアルコール飲料の開発に余念がありません。

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やなぎひさし

やなぎひさし

国立大学理工学部卒。医療機器メーカーの勤務を経てフリーへ。医療コンサルタントとして、主に医療IT企業のマーケティング支援を行っている。中国の医療事情に詳しい。