医療用語基礎知識

【尿酸値】高いとがんになりにくい!?

 しかし尿酸値を下げ過ぎるのは、かえってマイナスかもしれません。あまり知られていませんが、尿酸には強い抗酸化作用があるからです。ビタミンC以上の効き目です。そのため昔から、痛風の人はがんにかかりにくいと言われてきました。

 本当は、痛風とがんは無関係ということが、現在の医学界の定説になっています。ところが近年、尿酸値が高いとアルツハイマー病にかかりにくい、という学説を唱える研究者が出てきました。尿酸が脳の神経組織の酸化を予防するというのです。

 この学説は、まだ真偽のほどが確かめられていません。本物のビールを心ゆくまで堪能するか、プリン体オフで我慢しておくか、悩ましいところです。(医療ジャーナリスト・やなぎひさし)

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やなぎひさし

やなぎひさし

国立大学理工学部卒。医療機器メーカーの勤務を経てフリーへ。医療コンサルタントとして、主に医療IT企業のマーケティング支援を行っている。中国の医療事情に詳しい。