しかし尿酸値を下げ過ぎるのは、かえってマイナスかもしれません。あまり知られていませんが、尿酸には強い抗酸化作用があるからです。ビタミンC以上の効き目です。そのため昔から、痛風の人はがんにかかりにくいと言われてきました。
本当は、痛風とがんは無関係ということが、現在の医学界の定説になっています。ところが近年、尿酸値が高いとアルツハイマー病にかかりにくい、という学説を唱える研究者が出てきました。尿酸が脳の神経組織の酸化を予防するというのです。
この学説は、まだ真偽のほどが確かめられていません。本物のビールを心ゆくまで堪能するか、プリン体オフで我慢しておくか、悩ましいところです。(医療ジャーナリスト・やなぎひさし)
医療用語基礎知識