医療用語基礎知識

【直接死因と原死因】死亡診断書には複数の死因が書かれる場合がある

 直接死因と原死因は一致する場合もあります。たとえば健康な人が何の前触れもなく、急性心筋梗塞で亡くなってしまうようなケースです。しかし、因果関係が2段階、3段階に分かれているケースもあります。大腸がんが肝臓に転移し、それがもとで食道に静脈瘤ができ、さらにそれが破裂して出血多量で亡くなった場合などです。

 心不全や多臓器不全なども、直接死因として記載されることがありますが、やはり死亡診断書には、その背後にあった病気を、経過が分かるような順序で書かなければなりません。心不全なら、それに至るまでに、狭心症や心肥大を起こしていたでしょうし、多臓器不全なら糖尿病による腎不全などがあって、それがもとで他の臓器もやられてしまったのかもしれません。

 そのため、死亡診断書の用紙は直接死因と原死因を含め、複数の傷病名を記載できるようになっています。

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やなぎひさし

国立大学理工学部卒。医療機器メーカーの勤務を経てフリーへ。医療コンサルタントとして、主に医療IT企業のマーケティング支援を行っている。中国の医療事情に詳しい。