つまり、がんが発生しやすい条件と、発見しやすい条件が同時に満たされつつあるにもかかわらず、罹患者数が減っている、少なくとも増えていないという現象が生じているのです。
これは大阪府に限った話ではありません。いまや全国的にがん患者が減りつつあるようなのです。滋賀県北部の農村地帯の中核病院でも、最近がん患者が減り始めているという話を聞きました。
しかし、単に罹患者数の増減を議論するだけでは不十分です。より正確な比較のためには、罹患率と年齢調整罹患率という専門的な数字を見る必要があります。
(医療ジャーナリスト・やなぎひさし)
医療用語基礎知識