医療用語基礎知識

【超音波(エコー)検査】よくみつかる嚢胞はほとんど無害

 エコーは空気があると急速に減衰してしまうため、肺の検査には不向きです。また胃や腸にも空気やガスがあるため、いい映像は撮れません。それでもたまに、かなり進行した大きながんが見つかることがあります。

 乳がんの検査にも使われます。マンモグラフィーと違って痛みや被ばくがなく安全です。しかし分解能が低く、小さな病変を見逃してしまうこともあるため、エコーで異常なしと言われても、必ずしも安心はできません。

 心臓や頚動脈には、ドップラーエコーという検査方法が使われます。救急車が近づいてくるときと遠ざかるときとでは、サイレン音が違って聞こえます。あれがドップラー現象。その原理を応用して、血流の向きや速さを計測するのです。

 エコー検査の映像は2D、つまり2次元です。しかし、最近では3D(3次元)もよく使われるようになりました。子宮内の胎児の写真などが有名です。ただ、3D映像は静止画なので、いまは4D(4次元)も使われるようになってきています。3Dに時間軸を加えたもの、つまり3次元動画のことです。4Dで撮影すると、子宮内の胎児が動いている様子を見ることができます。

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やなぎひさし

やなぎひさし

国立大学理工学部卒。医療機器メーカーの勤務を経てフリーへ。医療コンサルタントとして、主に医療IT企業のマーケティング支援を行っている。中国の医療事情に詳しい。