X線は物体を透過します。ただし物の材質や密度によって、透過のしやすさが異なります。肺のように空気を大量に含んだ臓器では透過しやすく、骨など硬い組織では透過しにくくなります。
透過したX線をフィルム上に焼き付けることによって、X線写真が得られます。肺の部分はフィルムがより強く感光され、骨の部分はあまり感光されません。現像すると、肺は黒く、骨は白く、そして(もしあるとすれば)病巣が中間の濃さで映し出されるのです。
現在、使われている撮影方法は3通りあります。まずは「直接撮影」といって、透過X線を直接フィルムに焼き付ける方法です。昔から病院などで使われてきました。フィルムが大きく(35・6×35・6センチ)、しかも結構重い(1枚当たり30~40グラム)ため、保管や持ち運びが面倒です。しかし、高い解像度と、実物大の像が得られるのが大きなメリットです。
医療用語基礎知識