しかし腎機能が低下してくると、クレアチニンを効率よく排泄できなくなるため、結果として血液中の濃度が高くなってきます。基準値は男性で0・5~1・1mg/dl、女性で0・4~0・8mg/dl。これよりも高いと、腎臓に問題がある可能性があります。
ただし血中クレアチニンが本格的に上昇し始めたときには、すでに腎臓の機能が修復困難なまでに悪化しているケースも多いため、病気の予防や早期発見には、あまり役立たないといわれています。
腎機能の悪化をより早期に知るためには、「尿中クレアチニン濃度」を測定する必要があります。ただ検査には最低2時間程度、より正確な測定には24時間を要するため、健診では無理。心配なひとは、腎臓専門のクリニックや病院で受けてください。
(医療ジャーナリスト・やなぎひさし)
医療用語基礎知識