ところが近年、PSA検査に疑問を投げかける論文が、アメリカなどで何件も発表されているのです。PSA値が高ければ、確定診断のための追加検査をすることになります。
しかし、それによる健康被害が無視できないということです。生検(注射針などを使って、前立腺組織の一部を採取すること)によって、周辺の神経を傷つけられ、EDや排尿障害になる人が大勢いるようです。
また前立腺がんはおとなしいがんで、進行が遅いといわれています。PSA検査で早期発見したばかりに、過剰な治療が行われ、かえって生活の質を落としてしまう人も少なくないようです。
それらマイナス面を加味すると、PSA検査のメリットは、かなり減ってしまうというのです。
(医療ジャーナリスト・やなぎひさし)
医療用語基礎知識