医療用語基礎知識

【視力検査】「1・0」はどのぐらい目がいいのか?

 子供のころから毎年のように受ける視力検査。お玉のようなもの(遮眼子)で片目を覆い、数メートル向こうの壁に貼られた紙(視力表)のCの字(ランドルト環)の切れ目が、上下左右どちらに向いているかを当てる検査です。何を測っているのでしょうか。

 視力は「視角」と呼ばれる数字をもとに計算されます。視角とは、目の中心と、見ている対象物の両端を結んだ直線がなす角度。そういうと難しそうですが、要するにどのくらい大きく見えるかを表す数字です。

 しかし単に大きい、小さいと言ったのでは、正確な比較ができません。そこでさまざまな大きさのCの字を用意し、その切れ目の部分が向いている方向を見分けられるかどうかで、視角を測定しているのです。

 実際の視力表には、計算の手間を省くために、視角ではなく、視力そのものが印刷されています。ですから視力1・0と言われても、どのくらい目がいいのかピンときません。視力1・0に対応するランドルト環の切れ目の幅は、1・5ミリです。これを5メートルの距離から見分けられれば、視力1・0と判定されるのです。つまり、視力1・0の人は、5メートルの距離から、1・5ミリの大きさのものを見分けることができる、というわけです。

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やなぎひさし

やなぎひさし

国立大学理工学部卒。医療機器メーカーの勤務を経てフリーへ。医療コンサルタントとして、主に医療IT企業のマーケティング支援を行っている。中国の医療事情に詳しい。