医療数字のカラクリ

かぜは何日で治るのか

 例えば1年間で平均気温通りの日がどれくらいあるか、考えてみましょう。多くは1度高いとか2度高いとか、あるいは逆に1度低いとか2度低いというように、平均気温そのままという日は案外ないことに気付かれるでしょう。

 そうなのです。平均値というのは、その値が多いということではなく、それより高い日や低い日がたくさんある中での話です。だから、

「かぜが平均4日で治る」と言っても、個々の患者においては、「私は2日で治った」「いや、私は5日かかった」というふうに、全然平均でないというのが現実なのです。

 ただ、そういう人がたくさん集まると平均4日で治るという数字が導き出されるわけです。これは計算上の数字であって、実際多くの人が4日で治っているわけではないのです。

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名郷直樹

名郷直樹

「武蔵国分寺公園クリニック」院長、「CMECジャーナルクラブ」編集長。自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、東大医学教育国際協力研究センター学外客員研究員。臨床研究適正評価教育機構理事。著書に「検診や治療に疑問を感じている方! 医療の現実、教えますから広めてください!!」(ライフサイエンス出版)、「逆説の長寿力21ヵ条 ―幸せな最期の迎え方」(さくら舎)ほか。