例えば1年間で平均気温通りの日がどれくらいあるか、考えてみましょう。多くは1度高いとか2度高いとか、あるいは逆に1度低いとか2度低いというように、平均気温そのままという日は案外ないことに気付かれるでしょう。
そうなのです。平均値というのは、その値が多いということではなく、それより高い日や低い日がたくさんある中での話です。だから、
「かぜが平均4日で治る」と言っても、個々の患者においては、「私は2日で治った」「いや、私は5日かかった」というふうに、全然平均でないというのが現実なのです。
ただ、そういう人がたくさん集まると平均4日で治るという数字が導き出されるわけです。これは計算上の数字であって、実際多くの人が4日で治っているわけではないのです。
医療数字のカラクリ