医療数字のカラクリ

食事・運動療法は無理せず長く続けることが大事

 この研究では、どちらの群も食事・運動療法の指導を行っており、食事・運動療法に意味がないという結果ではありません。「集中的な介入の効果がはっきりしない」という結果です。

 薬物による血糖治療と同様、厳しい食事・運動療法と、緩めの食事・運動療法の間にはっきりした差はありません。無理して食事・運動をがんばっても、長続きしなければ十分な効果は期待できません。緩めでも長続きするやり方がより現実的な方法かもしれないのです。

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名郷直樹

名郷直樹

「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長、自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、臨床研究適正評価教育機構理事。著書に「健康第一は間違っている」(筑摩選書)、「いずれくる死にそなえない」(生活の医療社)ほか多数。