医療数字のカラクリ

鳴り物入りで発売された糖尿病新薬の効果と害

 この連載の最初に少し紹介したのですが、DPP4阻害薬よりさらに新しい糖尿病の薬に、SGLT2阻害薬という薬があります。

 この薬は体の中に余分に取り込んだ糖分を尿に捨ててしまうという薬で、“食事療法がうまくいかなくて糖分を取り過ぎても尿に出してしまえば問題ない”“好きな甘いものを食べても大丈夫”という夢の薬であるかのような触れ込みでした。

 しかし、この薬は2014年4月に発売後、数カ月の間にさまざまな副作用が報告され、問題となっています。尿に糖分を捨てる際に水分も一緒に捨ててしまうため、尿量が増加し、脱水症になりやすいことが欠点のひとつです。

 実際に、利尿薬との併用例で重症の脱水症を来したり、脱水を契機に脳梗塞を発症したことが疑われる報告があります。尿路感染や重症の低血糖も増加していますが、これも薬の作用から考えると、副作用である可能性が高いでしょう。また、全身の皮膚や粘膜に発疹が出るスティーブンス・ジョンソン症候群という重症の副作用も報告されています。

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名郷直樹

「CMECジャーナルクラブ」編集長。東大薬学部非常勤講師。東大医学教育国際協力研究センター学外客員研究員、臨床研究適正評価教育機構理事)自治医科大卒。名古屋第二赤十字病院にて研修後、作手村国民健康保険診療所にてへき地診療所医療に携わる。95年同診療所所長。05年東京北社会保険病院臨床研修センター長。「『健康第一』は間違っている」などの著書がある。