医療数字のカラクリ

遺産効果の実態 80歳までは変わらない

 20年を過ぎたあたりから2つのグラフは離れ始めて、20年から25年後の最後の5年間で70%と60%と、死亡率の差が明確になっているのです。

 研究に参加した患者は当初60代前半ですから、最初の20年でほとんど差がないということは、80歳過ぎまでは、両群の死亡率はおおよそ同じということです。70%の死亡率が60%に減ると聞くと、何か大きな違いのようにも思えますが、60代前半で新たに糖尿病と診断されたとしても、最初の15年のHbA1cが7%だろうが8%だろうが、どちらも20年くらいで50%程度が亡くなるという点で、全く差がないのです。

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名郷直樹

「武蔵国分寺公園クリニック」院長、「CMECジャーナルクラブ」編集長。自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、東大医学教育国際協力研究センター学外客員研究員。臨床研究適正評価教育機構理事。7月末に「検診や治療に疑問を感じている方! 医療の現実、教えますから広めてください!!」(ライフサイエンス出版)を出すなど著書多数。