医療数字のカラクリ

安くて効果が優れている薬が普及しないワケ

 古くて安いにもかかわらず、数字の上からは誰が見ても最も優れた効果のあるメトホルミンがなかなか普及しない背景には、こうした状況があります。

 メーカーは値段が高く利益の大きい新しい薬を売りたいに決まっている。そんな中、新薬でなく、古くて安いメトホルミンを第1選択で使うことが、臨床医としての役割だと思っています。

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名郷直樹

名郷直樹

「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長、自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、臨床研究適正評価教育機構理事。著書に「健康第一は間違っている」(筑摩選書)、「いずれくる死にそなえない」(生活の医療社)ほか多数。