医療数字のカラクリ

4つのがんでリスクあり

 乳がんについては糖尿病がない人に比べて1・2倍ほどがんになる危険とがんによる死亡リスクが高く、胆管細胞がんは1・97倍かかりやすく、大腸がんでは1・27倍なりやすく、1・2倍死ぬ危険が高いという結果です。子宮内膜がんについてはそれぞれ1・97倍かかりやすく、1・23倍死ぬ危険が高いとなっています。

 糖尿病の患者さんのがんの増加原因に関しては、糖尿病そのものが原因になっているというだけでなく、糖尿病で使われる薬との関係も疑われています。この点からいっても、あまりに厳しい血糖治療は、いい面ばかりではないかもしれないのです。

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名郷直樹

名郷直樹

「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長、自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、臨床研究適正評価教育機構理事。著書に「健康第一は間違っている」(筑摩選書)、「いずれくる死にそなえない」(生活の医療社)ほか多数。